中国キャリアロケット技術研究院は8月29日、「長征3号丙」ロケットの発射テストチームが西昌衛星発射センターへと出発するにあたり、歓送式典を開催した。このテストチームは月探査衛星「嫦娥2号」の打ち上げ任務を担っていることから、特に注目を集めている。またこのことは、「嫦娥2号」がすでに打ち上げ準備を済ませたことを意味している。「人民網」が7日に伝えた。
関連部門が明らかにしたところによると、「嫦娥2号」は年末の打ち上げが予定されていたが、予定を繰り上げて10月に打ち上げられる予定だという。中国月探査第2期計画の先導衛星である「嫦娥2号」が西昌衛星発射センターから打ち上げられるに伴い、第2期計画もスタートすることとなる。
「嫦娥1号」は、2007年10月24日に打ち上げられ、2009年3月1日に月面衝突実験に成功している。
中国月探査プロジェクト元総設計士の孫家棟院士が明らかにしたところによると、「嫦娥2号」はもともとは、第1回月探査プロジェクトが失敗したときのために作られたバックアップ衛星だった。このため「嫦娥1号」と「嫦娥2号」の外見は、サイズ・形ともに全く同じで、一卵性の双子のようだ。「嫦娥1号」の打ち上げ成功に伴い、バックアップ衛星の使い道も再度考慮され、補欠からレギュラーへと転身、正式に「嫦娥2号」と命名されたという。
「嫦娥2号」は、月探査2期計画の先導衛星として、軌道の検証、制御テスト、軟着陸など5方面にわたる技術テストを行い、2期計画の技術的リスクを軽減する役割を果たす。