2010年10月11日-10月15日
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中国、海泥発電に段階的進展

2010年10月21日

 中国海洋大学材料科学工程研究院の付玉彬助教授率いる研究チームはこのほど、国内で初めて海底生物燃料電池を電源とする実験を行い、海底の海泥の中に両方の電極を挿して電気を発生させた。21日付け「科技日報」が伝えた。

 海底生物燃料電池は海泥の中の有機物と無機物を燃料とし、微生物の代謝によって作り出される電子を利用するもの。海泥の中は陰極、海水中は陽極で、電子は微生物が電極の表面に送られると電気回路を接続し、「海泥電池」と化す。こういった電池は低炭素や環境保護、新型エネルギー素材の技術が世界的な潮流となっている今、コストがかからない技術としても研究・応用価値が高い。

 付教授の研究チームは07年初めから同分野の研究を開始。08年に山東省科学技術克服プロジェクトに選ばれた。深海や遠海では海洋装置の電源供給がこれまで課題となっていたが、この研究成果によって海洋装置を有効に長時間稼動できる電源が確保される。

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