2010年11月15日-11月19日
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専門家が提案 渤海の海水を新疆へ

2010年11月15日

「南水北調」プロジェクトは、中国南方地域の水を北方へ送り、北方の水不足問題を緩和するというものだが、このほど、渤海の海水を砂漠へ送り、ゴビ砂漠を農地に変えるという「海水西調」プロジェクトが提起され、大きな議論を引き起こしている。ウルムチで5日、「陸海統一計画・海水西調ハイレベルフォーラム」が行われ、全国各地の専門家が同プロジェクトの推進に向け、さまざまな意見を出した。「人民網」が12日に伝えた。

同サミットで総括演説を行った中国ハイテク産業化研究会海洋分会の張宝印秘書長(高級工程師)は、「海水西調」は絶対に不可能なことではないと表明、「海水はどれだけ使っても枯渇することはない。また、渤海はフンサンダク砂漠からわずか400キロのところにあり、地理的にも非常に近い」と述べる。

フンサンダク砂漠は、北京の気候に深刻な危害を与える最も近い砂漠の1つだ。渤海湾には黄河、海河、ラン河、遼河など、大陸から多くの河川が流入しているため、塩分の含有量も相対的に低い。このような恵まれた地理的条件により、渤海が選ばれることとなった。

研究によると、もし渤海の海水を500キロにわたって北方大陸に引き入れ、内モンゴルや新疆の砂漠にある構造盆地や大小さまざまな塩水湖に送ることができれば、人工海を形成し、砂漠化を抑制し、湿地面積を拡大し、海水の自然蒸発を通じて西北地域の湿潤気候条件を提供し、降雨量を増加させる水蒸気の供給源を増やすことができるという。これにより、水不足など西北地域・華北地域の劣悪な生態環境を根本的に変化させることが可能だ。

「海水西調」の構想の中で、最も多かった疑問は、「海水を引き入れることで大陸部の土壌に影響があるのではないか、取り返しのつかない生態影響を与えるのではないか?」というものだった。これについて、張秘書長は、「海水西調はいかなる悪い結果ももたらすことはない」と表明している。

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