2010年12月06日-12月10日
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中国 農業の情報化に3つの難題

2010年12月06日

 5日に開幕した「全国農業情報知能サービス技術ハイレベルフォーラム」において、科技部農村科技司の王暑・寰i長は、演説を代読し、「中国の農業・農村情報化には、▽進んだ情報技術と立ち遅れた伝統的産業▽単項技術のリードと集積技術の不足▽旺盛な産業ニーズと不足する基礎業務??など要となる問題が存在する。農業生産の全プロセスを貫く情報サービスの要となる技術において、急ぎブレークスルーが必要だ」と指摘した。フォーラムではまた、「農業情報知能サービス技術」という概念が提起され、情報技術の応用における最大の弱点である、農業情報技術の発展方向が明確となった。「科技日報」が6日に伝えた。

 王副司長は演説の中で、中国における農業情報技術発展の不足について分析した。それによると、現在中国政府は、農業情報の取得とサービス面において先進国に遅れをとっており、マクロ政策の決定と市場監督・管理も有力な情報支援に欠けている。また、企業と農家の生産経営には情報による効果的な誘導が不足しており、科学技術・生産・市場が連携しておらず、農業情報化の「最後の1キロ」の問題が突出している。

 中国農業科学院農業情報研究所の許世衛所長はフォーラムにおいて、中国の農業情報知能サービス技術の最新成果を発表した。これには主に、農業情報の正確な取得にむけた技術、データの自動処理技術、情報プッシュ応用技術の3方面が含まれる。うち、農業情報の正確な取得にむけた技術面では、中国農業科学院情報所が開発した農業情報データ取得標準技術により、データ一致性の問題を解決。農業情報の取得方法・プロセスの標準化を実現した。また、様々な農業情報を自動的に取得する技術により、情報の的確性、適時性が解決され、情報取得の高コスト、重複労働などの問題が解決された。このほか、データの自動処理技術において新たに開発された作物生長シミュレーション技術、農産物情報知能分析・アラーム技術、農業データモデリングツール技術、農業情報データ融合技術などは、農業生産の科学的管理、農業資源の効果的利用、農産物価格の変動緩和などにとって、大きな現実的意義を持つ。

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