2010年12月06日-12月10日
トップ  > 科学技術ニュース>  2010年12月06日-12月10日 >  中米英の科学者が炭素循環量を研究

中米英の科学者が炭素循環量を研究

2010年12月09日

 現在、炭素循環が重要なテーマとして取り上げられているが、まだ多くの議論と不確定な科学的問題が存在している。氷河期、陸上生物圏にあった炭素が深海に移動したことはよく知られているが、その一方、退氷期に海からどれだけの二酸化炭素(CO2)が放出され、その結果、大気圏や水域圏、生物圏などの炭素プールがどれだけ大きく変化したかはあまり知られていない。9日付「科学時報」が伝えた。

 中国科学院地球環境研究所の金章東チームをはじめ、米コロンビア大学ラモントドハティ地球科学研究所のJimin Yu氏とWally Broecker氏、英ケンブリッジ大学のHarry Elderfield氏ら著名な科学者が協力し、世界の海底に生息している底生有孔虫のB/Caやδ13Cの構成を詳しく研究し陸地の記録との比較を通じて、氷河期末期の海洋・陸上・大気中の炭素プールの間の相互作用による変化と交換量を割り出した。

 審査員はこの成果を高く評価し、「重大な進展だ」とした。この研究成果は注目の推薦論文として最新号の「サイエンス」で発表された。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます