2010年12月13日-12月17日
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中国、すでに気候問題の最前線に

2010年12月14日

 気候変動は現在、単純な科学問題ではなくなり、環境、科学技術、経済、政治、外交など、多学科・多分野にかかわる総合的な重大戦略問題へと変化した。「科学時報」が14日に伝えた。

 中国気象局の鄭国光局長はこのほど、「世界的な気候変動の試練及びその対策」と題する講演を行い、世界情勢と国家戦略の角度からこの問題について深く分析を行った。

 中国の温室効果ガスの排出総量は世界一となり、1人あたりの排出量も世界平均レベルを超えている。世界各国は中国の動きに目を光らせている。気候変動問題は国際社会において、その本質が温室効果ガス排出権の争奪から、国家発展の権益争奪へと変化し、現在はさらに国際的な政治主導権の争奪へと変化している。

 鄭局長は「中国はすでに、気候変動問題の最前線に立っている。ジレンマに陥っていると言えるだろう。中国は大国としての責任を負うと同時に、自国の発展のための権益を守らなければならない。この問題の困難さ、複雑さは想像にあまりある」と述べる。

 中国の核心利益は、国家発展の権益を保持し、あってしかるべき発展の空間を勝ち取ることだ。ただし、中国は責任ある大国として、これまでと同様、建設的な作用を発揮し、積極的に中国の特色ある低炭素発展の道を模索し続ける。この問題について、鄭局長は以下の5つの建議を提出した。

 (1)経済発展方式の転換を推進し、国内エネルギーと産業構造の調整を加速し、石炭をメインとするエネルギー構造を変化させる。

 (2)気候変動への適応能力を高める。特に、極端な気候への対応能力建設を強める。

 (3)気候変動対応に関する法制・体制・メカニズムの建設を加速する。

 (4)気候変動に対応するための科学技術サポート能力を強める

 (5)気候変動対応に関する全国民の知識・能力を高める。

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