2010年12月13日-12月17日
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中国科技人材の革新力が低いのは、大学教授の出戻りが多いため

2010年12月15日

現在、大学や研究所における出戻り現象が高い注目を集めている。ある研究機構が中国の財政・経済系大学23カ所の教師に関する調査を行ったところ、卒業後に直接母校に戻って教えているケースが平均で62%、某有名大学ではなんと80%に上っていた。ある海外帰国者は、中国の科学技術人材のイノベーション能力とイノベーション成果が、世界レベルと大きく差が開いている理由は、人材育成におけるこうした「近親交配」と関係があるとしている。「科技日報」が伝えた。

大学への出戻りは、現代の人材育成における「遠縁間交雑」の理念に背くもので、学術的視野を狭め、批評を制約し、革新的な思想を損ない、アカデミックな雰囲気を束縛するものだ。自分の手の中から人材を選び、「良いものは他人に渡さない」という方針では、同じような学術上の間違いをいつまでも残すことになりやすい。また、慣習を継承し、慣習を破りにくくなり、競争に欠け、学術的個性が日に日に失われ、傑出した人材や一流の革新成果を生み出すのがとても難しくなる。国外の研究成果によると、こうした出戻りによる人材育成は、科学技術革新力に対して直接のマイナス影響があることが判明している。

こうした現象を克服するためには、人材の育成、管理、評価、報酬、作用発揮の革新に向けた制度体系に着目し、科学的な人材育成選抜メカニズムを確立しなければならない。大学・研究所における教育者・科学者の派閥構造を改善し、母校出身者を直接教師として採用することや、研究所の出身者を直接研究者として採用することを減らすよう奨励し、制度の規範化を少しずつ推し進めなければならない。

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