2010年12月20日-12月24日
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中国 7基目となる測位衛星「北斗」の打ち上げに成功

2010年12月20日

 中国西昌衛星発射センターで18日朝4時20分、キャリアロケット「長征3号甲」により、第7基目となる測位衛星「北斗」が打ち上げられた。中国は今年、計15回にわたる打ち上げを行い、全ての打ち上げに成功した。今回の打ち上げは、今年最後の打ち上げとなり、有終の美を飾るものとなった。「科技日報」が19日に伝えた。

 第7基目となる衛星「北斗」は、傾斜地球同期軌道(IGSO)衛星であり、第5基目の北斗とのネットワーク衛星だ。今回の打ち上げ成功は、北斗衛星ナビゲーションシステムのネットワーク構築が計画通り順調に進んでいることを意味する。今後数年間で、さらなる打ち上げが行われる予定。北斗衛星ナビゲーションシステムは中国が独自で開発し、運営するシステムで、3段階の発展戦略をとっている。2012年までにサービス範囲がアジア太平洋地域全体をカバーし、2020年ごろまでには、30基あまりの衛星と地上セグメント、各ユーザー端末から構成される、地球全体をカバーする大型システムを形成する計画だ。

 専門家は、「15回の衛星打ち上げに全て成功したことは、中国のロケット・衛星の品質が安定的に向上し、信頼性・安全性が高まり、打ち上げ能力が大きく強まり、観測・制御技術がさらに成熟したことを表明する」と述べる。中国宇宙事業の急速な発展に伴い、衛星の打ち上げは頻繁に行われるようになり、現在は常態化しつつある。今後数年で、中国はさらに数十基の衛星を打ち上げていく予定だ。

 今回打ち上げられた衛星とロケットはそれぞれ、中国航天科技集団公司に所属する中国空間技術研究院と中国キャリアロケット技術研究院が開発したもの。長征シリーズのロケットによる打ち上げは今回で136回目となる。

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