2010年12月20日-12月24日
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口蹄疫の新型ワクチンが開発

2010年12月20日

 口蹄疫( こうていえき )は牛・豚・羊等の偶蹄類動物に危害を加える世界で最も多い家畜伝染病として知られる。これまで高い効果を上げてきた口蹄疫ワクチンは過去十数年の使用の過程で様々な弊害が発見され、新たなワクチン開発の必要性が求められるようになった。中国農業科学院哈爾浜(ハルビン)獣医研究所の于力研究員率いるチームが3年の歳月をかけ、国内で流行している血清型口蹄疫ウィルスを対象とするワクチンを開発、より安全で効果の高い第2世代の口蹄疫ワクチンが専門家によって認可された。黒龍江省科技庁が16日に開いた「口蹄疫予防技術の研究と産業化」に関する会議で明らかになった。18日付「科技日報」が伝えた。

 口蹄疫は偶蹄類動物にみられる急性、熱性、接触性の伝染病で、ウィルスの変異や流行・感染速度が極めて速い。70種類以上の家畜、野生の偶蹄類動物に感染し、世界的に牧畜業および関連産業に多大な影響を与えることから、世界動物衛生組織は必ず報告しなければならない感染症として指定、中国でも口蹄疫を一類動物感染症の首位に認定する方向で検討を進めている。ワクチンの接種は予防、抑制、さらには最終的に口蹄疫を消滅する最も有効な手段といえる。従来のワクチンは口蹄疫を抑える重要な役割を果たしてきたが、免疫期間が短い上、副作用があり、活性ウィルスが工場から流出したり、完全に消滅できずにウィルスが拡散するリスクがあった。

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