2010年12月27日-12月31日
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世界初、心臓と骨髄の同時移植手術に成功 北京

2010年12月30日

 世界初となる心臓と骨髄の同時移植手術に成功した柳さん(37)は28日、再検査を受けるため吉林省から北京の安貞医院に赴いた。心臓移植のあとに骨髄移植も行えば、臓器移植による拒絶反応を抑える免疫抑制剤を少量あるいはまったく服用せずにすむのだという。29日付「北京日報」が伝えた。

 安貞医院の医師によると、心臓移植が成功したあとに骨髄幹細胞移植を行った目的は、術後の患者の免疫抑制剤の使用量を減らすためだという。臓器移植によって生命は救われるものの、一生免疫抑制剤を服用し続けなければならず、患者の肩には経済的な負担がのしかかってくる。一般的に免疫抑制剤の費用は年間約3万元にのぼり、長期間服用を続ければ副作用もある。

 しかし、心臓、肝臓、腎臓などの臓器移植のあとに臓器提供者の骨髄を患者の体内に移植すれば、患者は免疫抑制剤を少量あるいはまったく服用する必要がなくなるというのだ。しかも、免疫抑制による移植した臓器の慢性的な機能低下を軽減あるいはまったくなくすこともできる。

 柳さんが術後の経過観測中に服用している免疫抑制剤の量は通常のわずか3分の1で、薬代も年1万元ほどですんでいる。移植した臓器にも大きな拒絶反応はみられない。医師によれば、時間の経過とともに薬を止め、普通の人と同じように生活ができるようになるという。

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