2011年01月24日-01月28日
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中国、民用航空強国との5つの差

2011年01月24日

 中国民用航空の旅客・貨物取扱量はそれぞれ世界2位、安全レベルは世界トップレベルに達しており、中国は民用航空大国と公認されているが、民用航空強国とはまだ大きな差がある。中国民用航空局空中交通管理局の呂小平副局長は、この差は以下の5方面に現れていると分析する。「科技日報」が23日に伝えた。

 (1) 科学研究への資金投入が、ニーズを満たしていない。米連邦航空局の研究経費は年間3千万ドルだ。米国は完備された研究体系と経費のサポートにより、これまで世界民用航空技術の発展をリードしてきた。一方、これに比べて中国民用航空の研究開発投資は少なく、ニーズを満たすことができていない。

 (2) 設備製造能力の不足。中国の民用航空建設において、最初に用いたのがソ連式のモデル・設備だった。過去5年間、一部の部門では航空管制(ATC)技術・設備の国産化率がわずか50%にとどまっている。

 (3) 要となる航空管制(ATC)設備の不足と、分布の不均衡。現在、米国民用航空系統は、航空管制レーダーを700台以上有しており、米国本土の空域全体を重複してカバーしている。一方、中国の民用航空が所有する航空管制レーダーはわずか100台であり、しかも東部地域に集中しているため、東部地域の空域と、西部の重点航路しかカバーできていない。

 (4) 中国民用航空における交通流量管理システムがまだ初期段階にある。中国の航空輸送量が急増するにともない、中国の民用航空もフライト体制がますます複雑化し、空域と空港資源がますます不足し、フライトの遅延がますます深刻化する状態に直面している。このため、全国的な航空交通流量管理システムを打ち立てなければならないが、この任務は現在まだ初期段階にある。

 (5) 航空管制官の人数不足。航空管制官は第一線で航空管制任務を行う指揮者であり、「空域の交通警察」とも呼ばれる。中国の民用航空における航空管制官の人数はわずか5千人あまり。一方の米国は2万人以上となっている。

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