2011年04月04日-04月08日
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上海、東海の海底観測強化に着手 日本の津波被害受け

2011年04月08日

 東日本大震災に伴って発生した広範囲の津波は、海洋災害の観測を強化する必要性を浮き彫りにした。これを背景として、上海市はこのほど、海洋災害の観測予報に関する研究を議事日程に盛り込んだ。同市科学委員会によると、同市は市の第12次五カ年計画(2011-15年)技術発展計画に、海洋環境の観測をすでに盛り込んでおり、4千万元(約5億2千万円)規模の「東海海底観測ネットワーク」を5年以内に建設する方針を打ち出している。完成すれば、海洋情報をリアルタイムで観測できるほか、地震や津波などのデータを記録することが可能になるという。中国共産党の機関紙、「人民日報」海外版が8日伝えた。
 
 ハイテク技術を結集した同観測ネットワークは、深さ30メートルの海底に光ケーブルを敷設し、そこから送信される正確な情報を陸上の計器で受信することにより、海域環境の変化をリアルタイムで確認し、津波など海洋災害の観測を行う。このほか、地震計器も設置されるという。

 専門家によると、中国は東海と南海の海底観測ネットワーク建設に10億元(約130億円)以上を投入し、中国海底における敏感な“神経システム”の構築に取り組むという。

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