中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が明らかにしたところによると、同研究所の研究者は山東省諸城でこのほど、ティラノサウルス科の恐竜・巨型諸城暴竜の化石を発見した。この研究成果はまもなく世界的な学術雑誌「Cretaceous Research」に掲載される。北京晩報が28日に伝えた。
発見された巨型諸城暴竜は、上顎骨と歯の並びから全長11メートル、高さ4メートル、体重6トンに達することが推測され、世界最大のティラノサウルス科恐竜の1種であることがわかった。ティラノサウルス科恐竜は獣脚類の肉食恐竜で、前足は短く2本の指を持ち、後ろ足で歩いて移動する。あごは巨大で、噛む力は非常に強く、獲物や死んだ恐竜の肉を食べていた。化石は主に北米と東アジアで発見されており、今から9900万年前-6500万年前の白亜紀末期に生息していたと見られる。
巨型諸城暴竜は、上顎骨突起の基部側面に平らな部分があり、上顎骨窓の前縁には丸いくぼみがあるなど、数々の独特な特徴を持っていることから、他のティラノサウルス科の恐竜とは異なる。このため、ティラノサウルス科の新種と考えられ、ティラノサウルスの「親戚」と言うことができる。