2011年05月02日-05月06日
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米研究結果:アジアイネの起源は中国

2011年05月04日

 このほど「米国科学アカデミー紀要」に掲載された最新の研究報告によると、分子学的証拠から、アジアイネの起源は8千年以上前の中国長江流域が発祥であることが判明した。人民日報が4日に伝えた。

 アジアイネは世界で最も古く、最も重要な農作物の一つであり、世界各地で数多くの品種が栽培されている。ジャポニカ米とインディカ米という2つの主要亜種があり、その起源には2つの説がある。1つは単一起源論で、ジャポニカ米とインディカ米が同じ起源を持っており、どちらも野生イネより栽培化されたというもの。もう1つは、ジャポニカ米とインディカ米がアジアの異なる地域でそれぞれ栽培化されたというもの。過去の研究によると、この2つの起源地はそれぞれインドと中国とされている。

 表題の研究はニューヨーク大学、ワシントン大学、スタンフォード大学、パデュー大学により実施された。研究者らは過去のデータベースと最新のコンピュータを駆使し、アジアイネの進化史を再度分析した。その結果、ジャポニカ米とインディカ米は同じ起源を持っており、その起源は中国にあるという結論が得られた。また、研究者が野生イネと栽培イネの630の染色体DNA断片を解析したところ、単一起源論の信頼性がより高まったという。

 これまでの考古学研究により、中国長江流域では8千年?9千年前にはすでにアジアイネの栽培が行われていることがわかっている。一方インド・ガンジス川流域でアジアイネの栽培が始まったのは4千年前だ。これは分子レベルでの分析とも一致している。

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