2011年05月16日-05月20日
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中国、超伝導マグネットの生産を開始

2011年05月16日

 2月25日、商用1.5T超伝導マグネットが南京豊盛超導技術有限公司で正式にラインオフした。これによって中国は初めて完全に自らの力によってその中核技術である超伝導マグネットを生産し、超 伝導磁気共鳴の製造能力を持つ世界で4番目の国になった。
 磁気共鳴イメージング技術は、現代の臨床医学における最も重要な医用画像診断技術の一つだが、多年来、中国の磁気共鳴イメージングシステムの研究開発は、低磁場の永久マグネット(0.5T以下の低磁場)技 術の周辺にとどまっていて、臨床効果のより高い超伝導型磁気共鳴技術は、長年にわたりずっと外国に独占され、とくに1.5T以上の磁気共鳴装置はすべて輸入に依存してきた。
 この難題に取り組むために、江蘇省科学技術庁は2010年、産学官イノベーション資金プロジェクトの入札を組織し、重要な電子医療装備中枢技術及びシステムを重点プロジェクトとした。2 008年から一貫して超伝導マグネットの研究開発に力を入れてきた豊盛超導技術有限公司は、北京大学、江蘇省人民医院と共同でプロジェクトに応札して、落札した。科 学技術部は800万元のプロジェクト資金を割り当てて、この3つの機関が共同で高磁場超伝導磁気共鳴マグネットの研究開発を行うのを支援した。2010年1月27日、3 .0T超高磁場超伝導マグネット研究開発プロジェクトの中間段階の成果として、初の1.5T超伝導マグネットの研究開発に成功した。その後1年を経ずして、豊 盛超導技術有限公司はさらにこの重要な科学研究成果を商業製品に転化し、将来の3.0T等ハイエンドシリーズ製品の開発のための基盤を築いた。
 超伝導マグネットの国産化は、超伝導磁気共鳴システムの価格を引き下げ、応用範囲を拡大し、診療が受けづらい・診療費が高いという問題を解決して、国民の健康の向上のために貢献するであろう。現在、1 .5T超伝導マグネットはすでに積み出されて蘇州Ankeに向かっており、蘇州Ankeが開発したその他の部品と共に、臨床使用可能な磁気共鳴イメージング装置として組み立てられることになっている。

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