中国科学院古脊椎動物古人類研究所の王世騏副研究員とトウ濤研究員はこのほど、甘粛省和政地区で古代ゾウの一種・広河コエロロフォドン(Choerolophodon guangheensis)の新種の頭骨化石を発見した。中国でこれまで見つかった中で最も古いゾウ類の頭骨化石となる。中国新聞網が26日に伝えた。
見つかった頭骨の全長は76.5センチ、象牙の長さは1メートル以上に上る。これまで、コエロロフォドン属の化石が中国で発見されることはほとんど無かった。今回の発見は、この種の動物がかつて中国に生息したことを示す決定的な証拠となる。
化石が見つかったもう一つの重要な科学的意義は、コエロロフォドン属の起源と進化の過程に新たな根拠が生まれたことにある。フランスのある古生物学者は、2004年に1300万年前の中期中新世の地層から原始コエロロフォドンの化石が発見されたことから、コエロロフォドンは中期中新世のアフリカに起源を持つの見方を示している。
現生種の象はわずか2属・3種で、生息範囲は限られ、個体数も少ない。中国では雲南省の周辺地帯に生息するのみだ。ゾウ類はかつて、非常に繁栄していた。中国で発見された化石も多く、世界的には43属、中国でも18属が発見されている。