2011年06月27日-06月30日
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データから「天河一号」を解読

2011年06月27日

 1.研究開発規模

 「天河一号」の研究に直接関わっている科学技術員は200人以上おり、平均年齢は36歳。投資額は6億元(約75億円)。使用寿命は推定10年。

 2.演算速度

 「天河一号」のピーク値は毎秒4700テラフロップス。簡単に説明すると「天河一号」が1時間で演算できる量は、13億人(中国の総人口)が同時に340年以上計算し続けた量に匹敵する。

 3.記憶メモリ

 「天河一号」の記憶メモリは2千テラバイト。簡単に説明すると「天河一号」は、100万字の書籍10億冊に相当する1千兆字をオンラインで記憶することができる。

  4.トータル消費電力と省エネ

 「天河一号」フル稼働のトータル消費電力は4兆400億ワット、1時間当たり4040キロワット。24時間フル稼働での消費電力は約10万キロワット。

 一見大きく見える消費電量だが、実際には省エネで環境にやさしいスパコンで、エネルギー効率が高い。

 「天河一号」の消費電力1ワット当たりの演算速度は6350メガFLOP。この数字を上回るのは世界トップのIBM「Blue Gene」(ブルージーン)のみだ。

 5.安全性

 「天河一号」には国防科学技術大学が独自に研究・開発した「麒麟OS(オペレーション・システム)」が採用されている。このOSは中国公安部「B2」(現在最も高い安全レベル)認証を中国国内で唯一受けており、国内最高の安全性を誇る。

 つまり、「天河一号」は安全性が保障されたスパコンといえる。

 6.体積と重量

 「天河一号」は、約700平方メートルの部屋に幅1メートル45センチ、深さ1メートル20センチ、高さ2メートルのキャビネット140台が13列に並べられている構造となっている。総重量は約160トン。「天河一号」の前に立つと、その迫力に圧倒される。

 しかし、世界にあるテラフロップススパコン(ほとんどが1千平方メートルを占める)の中では、「天河一号」はスマートで小柄なほうだ。

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