2011年08月01日-08月05日
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中国の国際海底鉱床の申請 ISAが承認

2011年08月03日

 中国大洋鉱産資源研究開発協会によると、国際海底機構(ISA)はこのほど、同協会が提出した海底多金属硫化物鉱床の申請を承認した。これにより同協会は国際海底区域に1万平方キロメートル規模で専属の探査権を擁する多金属硫化物資源の鉱床を獲得した。また今後の資源開発では優先的開発権を得ることになった。「人民日報」海外版が伝えた。

 同鉱床はインド洋南西部の中央海嶺に位置し、縦990キロメートル、横290キロメートルの長方形のエリア内にある。ISAが2010年5月7日に「『エリア』内の多金属硫化物鉱床の探査に関するルール」を可決した後、鉱床の申請を受理し、承認したのは今回が初めてのケースだ。今回の申請が承認されたことを受けて、同協会は年内にもISAと期間15年間の探査契約に調印する予定で、契約に基づいて環境に関するモニタリング、環境ベースラインの調査・研究を進めるほか、探査エリアの完成面積の75%の放棄、発展途上国の科学技術人材の育成といった義務を履行するとしている。

 「海洋法に関する国際連合条約」(国際連合海洋法条約)に基づき、国際海底区域とその資源とは人類が共同で継承する財産とされ、ISAが全人類を代表して区域内の鉱物資源の探査・開発を組織し、コントロールすることになっている。国際海底エリアにおける多金属硫化物は海底の熱水液の作用で形成されたもので、銅、鉛、亜鉛、金、銀などの金属を豊富に含む。主に大洋中央海嶺に分布し、潜在的な経済的価値は巨大で、今後の開発に期待がもてるほか、人類の科学的海洋研究にとって極めて価値のあるものだといえる。

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