中国は酒泉衛星発射センターで北京時間18日17時28分、実験衛星「実践11号04星」を搭載したロケット「長征2号丙」を打ち上げたが、飛行中のロケットに故障が生じ、衛星を予定の軌道に投入することができなかった。具体的な原因は現在調査中。新京報が19日に伝えた。
▽観点 天宮1号への影響はなし
中国有人宇宙飛行プロジェクトの傑出貢献者賞を受賞した王家騏氏(中国科学院院士)によると、実践11号04星は科学衛星に属し、科学実験などに使われるという。
北京のある軍事オブザーバーは、「ニュースから見るに、今回の打ち上げ失敗ではロケットに問題が生じ、衛星を予定の高度まで到達させることができなかった。これで実践11号04星は使用できなくなくなってしまったが、どれくらいの高度まで上昇した後に故障したかがわからないため、原因は特定できない。もし飛行の初期段階で故障したならば中国国内に墜落し、もし最終段階で故障したならば、しばらく飛行した後、太平洋に墜落するだろう」と述べる。
同オブザーバーによると、宇宙ステーション「天宮1号」の打ち上げに使われるロケットは「長征2号F」であり、今回の打ち上げで使われたロケットとは異なるタイプであるため、「天宮1号」の打ち上げに影響が及ぶことはないという。
▽資料
長征2号丙:運搬ロケット「長征2号丙」は長征2号ロケットをベースに改良を加えて開発されたもので、液体ロケットエンジンを採用している。今回の打ち上げ失敗以前は成功率100%を誇っていた。