2011年08月22日-08月26日
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海外留学生に新たな帰国の波 創業の主力に

2011年08月24日

 北京で22日、全国留学生帰国サービス業務会議が行われた。人力資源・社会保障部の尹蔚民・部長(中国共産党中央組織部副部長)は、同会議において「新たな留学生帰国の波がすでに形成されている」と語った。「人民日報」海外版が伝えた。

 同会議ではまた、中国留学生帰国サービス連盟が発足した。同連盟は留学生の帰国関連サービスを行う国内の92組織が共同で設立したもので、留学帰国者のためにサービスを提供する非法人組織であり、協力交流プラットフォームだ。

 ▽「千人計画」でハイレベル人材を招致

 尹部長は「ハイレベル人材を重点とする留学経験者の招致は近年、ますます力が入れられている。中国では現在、『千人計画』を筆頭に、部門・地方が協力し、計画的に海外ハイレベル人材招致事業を推進する体制がととのっている。これにより、留学帰国者数も過去最高を記録した」と述べる。
統計によると、中国共産党中央組織部が中心となって実施する「千人計画(海外ハイレベル人材招致計画)」では、すでに海外のハイレベル人材1500人あまりを招致した。このほかにも、人力資源・社会保障部の海外ハイレベル留学人材招致プロジェクト、中国科学院の「百人計画」、教育部の「長江学者計画」、北京の「海聚プロジェクト」、江蘇の「双創計画」など、各部門・地方による留学経験者招致プロジェクトが着実に実施されつつある。

 尹部長はまた、「現在、国家重点プロジェクトの学術指導者の72%、中国科学院院士の81%、工程院院士の54%、重点大学校長の77%が海外留学経験者だ。ハイレベル留学人材は徐々に、中国の自主革新能力向上のリーダー、主力となりつつある」と語った。

 ▽留学経験者は創業の主力に

 中国の経済構造調整と産業のモデルチェンジ・アップグレードが進むに伴い、コア技術と知的財産権を持つ留学経験者の帰国後の創業が注目を集めている。データによると、各レベル・種類の留学経験者創業パークはすでに全国150カ所以上にのぼり、うち、北京、上海、天津、西安、杭州、無錫などの国家級創業パークでは世界的な競争力を持つ企業も誕生しているという。
尹部長は、「人力資源・社会保障部は2009年以降、留学生帰国創業サポート計画を実施し、中国留学生帰国創業専門家指導委員会を設立し、留学経験者の起業に向けて資金的サポートと全面的な指導サービスを行ってきた。各地区・部門も一連の事業を展開している。例えば江蘇省では『人材+プロジェクト+技術・ファイナンス』という創業サポートモデルを確立し、政府が数十億元を拠出、創業投資数百億元を誘致し、留学経験者の企業39社が上場に成功した。資金調達額は462億元に達している。統計によると、ナスダックで上場している中国ハイテク企業のうち、8割が留学経験者による企業で、時価総額は300億ドル以上に達している。留学経験者はすでに、中国の創業の主力となりつつある」と語る。

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