2011年08月22日-08月26日
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パソコン出荷台数 中国が初めて米を抜く 近く世界最大の市場へ

2011年08月24日

 米市場調査会社「International Data Corporation」(IDC)が発表した最新の報告書によると、中国のパソコン出荷台数(確定値)は今年の第2四半期(4-6月)、初めて米国を上回った。通年でも中国は2012年に米を抜き、世界最大のパソコン市場になる見通しという。中国国営の通信社「中国新聞社」(電子版)が報じた。

 報告書の分析によると、今年第2四半期、中国のパソコン出荷量は14%増の1850万台(約9115億円規模)に達した一方、米国は4.8%減の1770万台(約8962億円規模)にとどまり、中国は四半期ベースで初めて米国の出荷量を抜いた。また世界シェアも22%となり、米国を1ポイント上回った。

 しかし学生達が新学期を迎える季節を含む第3半期(7-9月)の米国のパソコン出荷量は回復が見込まれるため、中国のパソコン市場全体が米国を超えたとはまだ断定できない。

 正式な研究結果は来年にならないと発表できないため、IDCの研究員らは米金融情報大手ブルームバーグの取材に対し、「通年のデータでも、中国は“恐らく”2012年に米を抜いて世界最大のパソコン市場になるだろう」と断定は避けている。

 IDCは、今年1年の中国のパソコン出荷量は7240万台と米国を100万台下回るが、2012年は18%近く増加して8510万台に達し、7660万台と見込まれる米国を抜くと予測。

 アナリストは「中国は人口が世界で最も多いことに加え、急速な経済発展とともに国民所得も増加しているため、2009年には米国を抜いて世界最大の自動車市場になったように、パソコン市場も米国を超えるのは時間の問題。個人消費財に関する新たな一里塚となる」と指摘。

 また最近の米中パソコン大手の動向からも中国市場の勢いを見ることができる。パソコン世界最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)は18日、パソコン(PC)事業分離を検討すると発表。一方、中国のパソコン最大手レノボ・グループは同日、第2四半期決算の純利益が前年同期比98%増とほぼ倍増したと発表した。中国市場の魅力に引かれ、HPやデル(Dell)などの米パソコン大手が中国市場を開拓しようとしたが、HPの中国での市場シェアは2009年第2四半期の16.6%から今年の第2四半期には8.5%まで落ち込んでいる。

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