2011年08月29日-08月31日
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中国 2015年までに8つの大型水力発電基地を建設へ

2011年08月30日

 「再生可能エネルギー第12次五カ年計画」がまもなく発表される。水力発電は再生可能エネルギーの中でも最も重点が置かれ、第12次五カ年計画期、60あまりの重点水力発電プロジェクトが着工する。中国証券報が伝えた。

 業界関係者によると、中国は2015年末までに、8つの1千万キロワット級水力発電基地を建設し、全国の水力発電量は9100億キロワット時に達するという。

 8つの水力発電基地建設という目標は、これまでの予想(6つ)を上回った。あるアナリストは、「今年に入って以来、水力発電プロジェクトの審査・認可のスピードが速まっている。今回の計画では、重点水力発電プロジェクトの建設目標が明確にされ、水力発電建設が全面的に加速することが示された。業界のターニングポイントは近づいている」と語る。

 ▽5年間で60プロジェクトが着工

 上述の関係者によると、第12次五カ年計画期間中、金沙江、雅ロウ江、大渡河、瀾滄江、怒江、黄河上流の主流などで6つの大型水力発電基地が着工するほか、雅魯藏布江及びその他の流域でも60以上の重点水力発電所が着工する。

 うち、金沙江流域では白鶴灘発電所、龍盤発電所、烏東徳発電所など、13を超える重点水力発電所が着工し、瀾滄江では、糯扎渡発電所、大華橋発電所、カ貢発電所などの水力発電所が着工する。このほか、大渡河、黄河上流、雅ロウ江、怒江、雅魯藏布江及びその他の流域では40の重点水力発電プロジェクトが着工する。

 ある予測によると、「第12次五カ年計画」期に稼動を開始する水力発電設備容量は8750万キロワット前後に達するという。うち、金沙江など6つの大型水力発電基地で稼動が始まる大型水力発電所には溪洛渡、向家ハ、錦屏、糯扎渡などがあり、設備容量は計5200万キロワット前後で、その他の省・自治区・直轄市及び四川省・雲南省の水力発電設備容量は3550万キロワット前後となっている。2015年末までに、全国の水力発電設備容量は計2億8400万キロワット前後、水力開発率は71%前後に達し、うち、東部と中部では基本的に開発が終了し、西部の開発率は54%前後となる見込み。

 今後は揚水発電所の発展も加速する。エネルギー局はこのほど文書を発表し、各部門に揚水発電所の建設を着実に行うよう要求したほか、揚水発電所の建設の歩みを適度に速めるよう要求した。中国水力発電航程学会の張博庭副秘書長は、第12次五カ年計画期の揚水発電所の着工目標が、5000万キロワットから8000万キロワットに引き上げられたことを明らかにしている。

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