2011年08月29日-08月31日
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中国、国際連携通じハクサイの全ゲノム解読に成功

2011年08月31日

 中国農業科学院が明らかにしたところによると、中国が主導する国際的なプロジェクトであるハクサイゲノム解読プロジェクトの研究成果が29日、科学雑誌「Nature Genetics」オンライン版に掲載された。これは、中国のハクサイをはじめとするアブラナ科作物のゲノム研究が世界トップレベルに達したことを意味する。人民日報が31日に伝えた。

 同プロジェクトは、中国の農業科学院野菜・花卉研究所と油料作物研究所、深セン華大遺伝子研究院の主導の下、中国、英国、韓国、カナダ、米国、フランス、オーストラリアの各国からなるハクサイゲノム解読国際協力チームが共同で実施したもの。中国が主導する国際的な研究チームによる野菜のゲノム解読成功は、キュウリとジャガイモのゲノム解読に次ぐものとなる。

 研究により、ハクサイには約4万2千種の遺伝子があることがわかった。専門家によると、ハクサイゲノム解読の成功は、ハクサイ類の作物と、その他のアブラナ科作物の品種改良にとって重要な意義を持つだけでなく、都市部住民の食生活にとっても実質的な意義を持つという。

 ハクサイ類の作物にはハクサイ、、チンゲンサイ、サイシン、カブなど様々な野菜が含まれ、中でもハクサイとチンゲンサイは中国において、野菜の中では最大の栽培面積と消費量を誇る。中国はまた、世界最大のハクサイ生産国であり、ハクサイとチンゲンサイの栽培面積はすでに400万ヘクタールを上回り、国内の野菜供給においてとても重要な地位にある。

 中国農業科学院野菜・花卉研究所は2008年10月、第2世代ゲノム解読技術を利用し、キュウリのゲノム解析で重大な進展を果たした。同研究所はこれを基礎に、関連機関と協力し、次世代技術を駆使したハクサイのゲノム解読を実施した。

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