2011年08月29日-08月31日
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中国初:「下水油」1トンからバイオディーゼル980キロを生産

2011年08月31日

 「下水油」(中国語「地溝油」。レストランなどの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状の油から精製した油)が今も食卓に上り、中国各地で頭痛の種となっている中、国レベルの重点ハイテク企業である福建竜岩卓越新エネルギー発展公司は、独自開発の新技術と連続自動生産設備によって、「下水油」1トンからクリーンな液体燃料であるバイオディーゼル980キロを抽出している。「科技日報」が30日付で伝えた。

 同社は2002年に全国に先駆けて「下水油」からのバイオディーゼル抽出の産業化を実現。同プロジェクトは科学技術関連の国の第10次五カ年計画と第11次五カ年計画にも盛り込まれた。現在、バイオディーゼル抽出量は年10万トンを超えている。葉活動会長によると、同社の独自開発した連続自動生産設備は国の技術特許を10数件取得。「下水油」のバイオディーゼル転換率は現在98%にまで高まっている。つまり「下水油」からバイオディーゼル980キロを生産できる計算だ。

 厦門卓越バイオマスエネルギー公司の社員がビーカーに入った原料の「下水油」と、抽出したバイオディーゼルを見せてくれた。「下水油」は濁った黒褐色で酸化した腐臭がするが、バイオディーゼルは澄み通り、ややいい香りがする。

 福建省の主管部門の専門家は同社の生産するバイオディーゼルについて「0号ディーゼル内燃機関燃料の性能要求を満たす、クリーンな液体燃料製品で、国内の空白を埋めるもの」との鑑定結果を出している。上海内燃機関科学研究所の専門家も「0号化石ディーゼルよりも硫黄含有値がずっと低く、16アルキルの値は化石ディーゼルよりも高く、芳香族炭化水素や重金属を含まず、酸素含有量が高い。十分な燃焼を保証でき、汚染も生じない」と鑑定している。

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