2011年09月05日-09月09日
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軍用技術を4Dシアターの座席に応用 リアルな体感を実現

2011年09月05日

 上海万博期間中、石油館で4D映画「石油の夢」が上映された。この映画は、映画「アバター」のポストプロダクト・チームが手がけたもので、リアルな立体映像に加え、座席が映像にあわせて前後に傾いたり振動するほか、「におい」まで感じるなど、リアルな体感を十分に味わうことができるものだった。科技日報が5日に伝えた。

 ハルビン天利航空シミュレーション技術有限公司はこのほど、4Dシアター座席の駆動装置生産で中国航天科工集団と提携を結んだ。これにより中国航天科工集団がもともと軍用として開発した電動シリンダが4Dシアターの座席に設置されることとなった。

 この電動シリンダは、長さが違う2つの円柱を組み合わせたもので、まるで推進装置のついたロケットのような形をしており、十数センチから数メートルにいたるまで、様々なサイズ・動力のものをオーダーメイドすることが可能だという。

 4Dシアターの座席はスクリーンに合わせて複雑な動きをし、落下、上昇、傾斜、振動などの動作をリアルに再現することができるだけでなく、水や気体を吹きかけたり、足元を刺激するなどの機能もあり、これにより観客は雨や雷、衝撃、水しぶきなどを体験できる。これらの機能を制御するには、インテリジェント化された動力システムが必要だ。

 4Dシアターの座席の駆動は現在、油圧、空圧、電動の3種類が主流だが、電動は比較的新しい技術であり、他の2つに比べてより環境に優しく設備も少ないため、映画館での使用に適しているという。

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