2011年10月10日-10月14日
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中ロの火星探査機、11月9日に打上げへ

2011年10月20日

 中国初の火星探査機「蛍火1号」およびロシアの火星探査機「フォボス-グルント」は11月9日の早朝にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定だ。ロシアの探査機が「火星への旅」に向かうのは今世紀初となる。ロシアが最後に火星探査機を打上げたのは1996年。ロシア連邦宇宙局によると、「フォボス-グルント」は今月17日にバイコヌール宇宙基地に運び込まれた。中国新聞社が19日に伝えた。

 ロシア連邦宇宙局によると、「フォボス-グルント」は現在、組み立てプラットフォームにて打上げ前のテストを行っており、打上げに向けた準備が進められている。タス通信およびインテルファクス通信が報じたところによると、「フォボス-グルント」は中国の「蛍火1号」とともに打上げロケット「ゼニット」に搭載され、モスクワ時間11月9日0時26分にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる。

 今回の探査計画は中国、欧州、ロシアの協力によるものだ。中国の「蛍火1号」は火星軌道上を1年間運行し、火星周囲の宇宙環境を探査する。欧州宇宙機関は同プロジェクトを地上から支援する。バイコヌール宇宙基地には探査機の飛行制御観測ステーションが建設された。

 ロシアの「フォボス-グルント」は火星軌道に到達後、数カ月間を費やして火星の衛星・フォボスの着陸地点を探し、着陸機を分離した後、フォボスへの着陸を試みる。収集した土壌のサンプルは地球へ送られる。衛星・フォボスの表面には長期的な観測ステーションが残され、自動モードで火星の衛星・気候および火星に近い宇宙空間の研究を行っていく。

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