中国はこのほどドッキング目標機「天宮1号」の打上げに成功し、宇宙ステーション建設へ向け、初めの一歩を踏み出した。まもなく打上げられる無人宇宙船「神舟8号」には、一般の人々から寄せられた4万通以上の「夢」が乗せられ、共に宇宙へ旅立つ。新華社が20日に伝えた。
▽ICチップに人々の「夢」を保存
中国航天報はこのほど、「神舟8号に夢を託し、宇宙に届けよう」と題するイベントを立ち上げ、神舟8号に搭載する「夢」を一般から募集した。中国航天報の馮春萍社長によると、同イベントのオフィシャルサイトにはこれまでにのべ1200万人がアクセス。8月18日から9月20日までの募集期間には、テキスト・写真・動画など、様々な形式の夢計200万通が寄せられた。審査の結果、4万2891通の夢のデータがICチップに保存され、宇宙に旅立つこととなった。
イベント主宰側によると、初めは「強国の夢」、「宇宙事業の夢」、「環境の夢」、「公益の夢」の4カテゴリーで夢の募集が行われたが、ネットユーザーからの声に応え、新たなカテゴリーとして「個人の夢」が追加され、「物価が正常になり、収入が増え続けますように」といった、社会問題を反映した夢なども多く寄せられた。
▽自分の夢が宇宙に行ったかどうかは「神舟8号」帰還後に検索可能
中国航天科技集団公司空間技術研究院宇宙実験室システム総体主任設計士の魏伝鋒氏によると、神舟8号は打上げられて軌道に乗った後、まず地上からのコントロールと自律制御により軌道変更を行いつつ天宮1号に接近する。2つの探査機は宇宙空間でランデブー・ドッキングを行い、しばらくの間共に飛行した後再び分離し、天宮1号は元の軌道に戻って引き続き飛行を続け、次の任務を待つ。一方の神舟8号は「夢のチップ」と共に地球に帰還する。
神舟8号が地球に帰還した後、イベントのオフィシャルサイトにアクセスすれば自分の夢が入選していたかどうかを調べることができ、記念証書をダウンロードすることも可能だという。