2011年10月24日-10月28日
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神舟8号、打上げ準備が完了

2011年10月31日

 30日午後、中国酒泉衛星発射センターの発射台には、静かに打上げの時を待つ神舟8号と打上げロケットの姿があった。人民日報が31日に伝えた。
 
 有人宇宙飛行発射場システム副総指揮の張道昶氏によると、今回の打上げはこれまでの打上げに比べ、非常に困難な任務となるという。神舟8号の打上げには3つの特徴がある。1つ目は、様々な打上げ任務が同時進行で行われること、2つ目は準備時間が短いこと、3つ目は打上げウィンドウ(打上げが可能な時間帯)が無いことだ。

 神舟8号の打上げ準備は、ドッキング目標機「天宮1号」打上げの最終段階と、衛星任務の準備期間にあたり、様々な任務が同時進行で行われる中進められた。これにより、発射場の指揮、資源の配置、各方面の統括、総合的な保障任務には厳しい試練が課された。

 また、天宮1号の打上げが8月末から9月29日に延期されたため、天宮1号と神舟8号の打上げ間隔は2カ月から約1カ月に短縮された。発射場の打上げ間隔は最短記録を更新し、神舟8号の打上げ準備には大きなプレッシャーがかかった。任務の複雑さと準備期間の短さは、現場の人員の精神状態・設備状態の転換にとって大きな試練となった。

 さらに、神舟8号はドッキングを行うため、打上げウィンドウは無い。精確な打上げ時刻(秒単位)は、打上げ4時間前に天宮1号の軌道パラメータに基づき決定される。このため、非常に複雑で困難な状況に備え、関連の対応策をしっかりと整える必要がある。

 張副総指揮によると、これらの困難に対し、発射場では多くの準備を行っている。合理的な計画を通じ、神舟8号のテスト・打上げ準備にかかる日数を神舟7号の時よりも21日間短縮して53日間としたほか、天宮1号の打上げプロセスで生じた問題については徹底的に処理し、発射エリアの破損設備の修復を行い、点検修理・モニタリング訓練、故障分析排除訓練、対応マニュアルのリハーサルを強化し、実践的な操作能力と緊急時対処能力を効率的に高めた。

 さらに万が一の時に備え、発射場では品質管理を全面的に強化している。1千に上る品質管理対策、400のリスク管理対策を実施したほか、500件の品質記録を行い、設備の安全性、信頼性を保証した。写真は酒泉衛星発射センターで打上げを待つ神舟8号。

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