2011年11月01日-11月04日
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中国初のドッキング成功 米メディアからも注目

2011年11月03日

 宇宙船「神舟8号」とドッキング目標機「天宮1号」のドッキング成功は、中国有人宇宙飛行プロジェクトにとって重要な技術的ブレークスルーとなり、米メディアからも大きな注目を集めた。ワシントンポスト、CNNなど、主流米国メディアの多くが、今回のドッキング成功は中国宇宙技術の重要な一歩となったとの見方を示している。人民網が3日に伝えた。

 ワシントンポストはAP通信の報道を掲載し、「今回のドッキング成功は中国が10年間にわたって積み重ねてきた宇宙技術の新たな進展だ」と報じた。

 国際時事雑誌「The Diplomat」のウェブサイトは米海軍大学の教授の言葉を引用し、「今回のドッキングは中国の有人宇宙飛行計画にとって重大な意義を持つ一歩だ。中国の有人宇宙飛行計画は3段階に分けられ、今回のドッキング成功は第2段階となる。第3段階ではより大きな宇宙ステーションを建設する予定で、この進度は中国が第2段階において多くの困難を克服できるかどうか、そして新たなキャリアロケットの開発状況にかかっている」と報じた。

 CNNは「中国が無人宇宙船を打上げ、初のドッキングを成功させた。これは中国宇宙計画の新たな進歩と言える」としたほか、マサチューセッツ工科大学の副教授の言葉を引用し、「今回のドッキングは中国の技術的成果を示す重要な機会となった。これはまた、中国経済の急速な発展によるものだ。今回のドッキングは中国の宇宙計画にとって真の試練となり、2020年までの宇宙ステーション建設に向けた重要な一歩となった」とした。

 米メディアはこのほか、中国が来年2つの宇宙船を打上げてドッキングを行うこと、うち、少なくとも1つは有人飛行になる可能性などについても報じた。

 NASAの中国系科学者・李傑信氏はこのほどインタビューに答え、「神舟8号と天宮1号のドッキング成功は、中国がすでに宇宙機の自動ドッキング技術でブレークスルーを果たしたことを意味する。この技術は中国初の宇宙実験室、そしてその後の宇宙ステーション建設にも応用されるもので、中国の有人宇宙飛行計画第2段階の重要な一歩となった。人類の科学技術発展という角度から見ると、国際宇宙ステーションの持つ意義は大きく、中国は大国としてやるべきことをやった。全人類による宇宙の平和的利用に向けても貢献を果たしたと言える」と述べた。

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