2011年11月07日-11月11日
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中国初の火星探査機「蛍火1号」、近く打上げへ

2011年11月07日

 中国初の火星探査機「蛍火1号」はロシアの火星探査機「フォボス?グルント」と共に8日から20日の間に、バイコヌール宇宙基地から「ゼニット2SB」ロケットで打上げられる予定だ。中国にとっては初の火星軌道投入であり、ロシアにとっても久々の火星探査となる。両機による画期的な火星探査は、火星への人類の認識を深める上で需要な意義を持つ。北京日報が伝えた。

 「蛍火」という名は火星の古い中国語名「助・惑」の同音異字にもなっている。蛍火1号は打ち上げ後もフォボス?グルントの上に「乗った」形で、「手を携えて」火星軌道に投入される。火星軌道を3周した後、両機は分離。フォボス?グルントは軌道を変更して、衛星フォボスに着陸。土壌試料を採取し、地球へ送り返す。蛍火1号は近火点800?、遠火点8万?、軌道傾斜角5度以内の楕円軌道上で火星探査を行う。

 こうした共同探査方式は中ロ両国にとって有益だ。中国側は時間に余裕がなく、資金に限りがあり、経験もなく、観測・制御は困難。このため短期間で小型火星探 査機を開発し、より大きな火星探査機と結合した形で打上げてもらうことで、数々の技術問題をクリアできる。ロシア側にとっては火星探査機にも衛星軌道運搬ロケットにも積載余裕があるため、蛍火1号を相乗りさせてもミッションへの影響はないし、追加の科学データや経済効果を得ることもできる。

中国は現在自前の深宇宙観測・制御網の構築を進めている。十分な運搬能力もあるため、2013年には火星探査機の単独打上げを目指している。中国の火星探査計画は月探査計画と同様に「周回・着陸・回収」の3ステップを踏むことになる。つまり第1ステップでは火星周回探査に加え、軟着陸に向けた技術検証を行う。第2ステップでは火星に軟着陸して探査。第3ステップでは火星からの無人サンプルリターンを行う。

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