中国は第11次五カ年計画(以下「十一五」2006-10年)期間中、農業分野の研究で目覚しい成果を挙げたが、その実用化率はわずか40%と先進国の80%を大きく下回っていることがこのほど、農業分野の科学技術管理に関する会議で分かった。中国国営の新華社通信が9日伝えた。
中国農業部科学技術教育司の潘海平副司長が同会議で明らかにした。潘副司長は「農業分野の研究は目覚しい成長を遂げているが、研究成果の実用化は伸び悩んでいる」と語り、「『十一五』期間中の実用化率は40%にとどまり、先進国の80%を大きく下回っている」と指摘。技術革新力の不足や人材建設の遅れ、深刻な投資不足などを課題として挙げた。
潘副司長によると、中国は近年、農業の技術革新力が飛躍的に高まってきたが、一部の分野では研究成果の供給力がなお弱い。統計では、穀物・綿・油など主要農作物の育種以外に、豚・卵・乳牛は50%、野菜・花卉(かき)の高級品種は90%以上を輸入に頼っている。先進的な農作物加工プラントも70%以上が輸入製品で、国産農業機械のほとんどは先進国の1970年代の水準にとどまっているという。