2011年11月14日-11月18日
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天宮と神舟、2回目のドッキングに成功 今後の見所は?

2011年11月15日

 ドッキング目標機「天宮1号」と宇宙船「神舟8号」の2回目のドッキングが無事成功した。今後はどんな見所があるのだろうか?北京宇宙飛行制御センターの李剣副チーフエンジニアに聞いた。

 ▽結合体の軌道維持

 2回目のドッキングが完了後、神舟8号と天宮1号の結合体は2回目の軌道維持を行う。宇宙空間を飛行する宇宙機は、大気の抵抗を受けてその軌道がずれるため、軌道維持が必要となる。今回の任務では、2回にわたって軌道維持を実施する計画だ。1回目の軌道維持は11月4日に行われた。

 ▽神舟と天宮の再度の切り離し

 結合体はしばらくの間飛行した後、神舟8号は再び天宮1号から切り離される。今回の切り離しは、1回目の切り離し(2回目のドッキング前の切り離し)とは違う形態で行われる。1回目の切り離しでは、天宮1号がまず180度向きを変え、頭を後ろに向け、神舟は背面飛行から通常の飛行姿勢に戻った。2回目の切り離しでは向きを変えず、宇宙船は背面飛行の状態のまま撤退することとなる。

 ▽宇宙船の軌道維持

 神舟8号を順調に地上に帰還させるため、帰還前に軌道維持を1回実施する計画だ。より精確に着陸地点に狙いをつけることが目的。しかし、もし各要素が精確であれば、切り離しから帰還前の軌道維持は取り消される可能性もある。

 ▽宇宙船の帰還

 神舟8号は切り離し後、すぐに帰還するわけではなく、1日後に帰還する。これはプログラム上、帰還前に軌道調整の余地を残してあるため。帰還に向けたプログラムの準備にも時間がかかる上に、着陸地点の気象条件なども考慮する必要がある。このため、全面的な準備を終えてから最も良い時機を見計らって帰還することとなる。

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