2011年11月14日-11月18日
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漢方の検診機器「四診儀」、「MARS500」に参加

2011年11月15日

 ロシア宇宙局の関係者はこのほど、模擬火星旅行実験「MARS500」の詳しい状況に関する最終報告を行った。

 「MARS500」はロシアが組織し、各国が参加した国際的な大型実験で、宇宙飛行士が火星へ向かう過程で生じる可能性のある心理的・生理的状態について調査することが目的。同実験に参加した6人のボランティアはそれぞれ中国、フランス、イタリア、ロシア人。6人は完全に外部から隔離されたモジュール内で520日間、100項目以上のテストを行った。

 中国は「長期的な閉鎖環境における人体機能の中国医学的見地からの分析」など3つのプロジェクトを実施し、いずれも所定の目標を達成した。このことは、宇宙医学研究とプロジェクト経験を蓄積し、中国の有人宇宙飛行国際プロジェクトへの参加を高める上で重要な意義をもっている。

 中国のプロジェクトを担当した中国宇宙飛行士科学研究訓練センターの李瑩輝・副総設計師は「中国医学的見地からの分析研究というのは主に、望診(見る)、聞診(聞く)、問診(問う)、切診(触れる)という中国医学の4つの診断法を通じて、長期的な閉鎖環境における人体の機能と生体リズムを調査するというものだ。我々は近代的な診療方法を取り入れ、コンピュータを通じて中国医学の診断ができる『中医四診儀』によって定期的にボランティアの舌、顔色、脈、症状などのデータを収集し、モジュール外でデータを分析、人体の生体リズムを調査した。このプロジェクトが有人宇宙飛行プロジェクトにおける健康・医療問題解決に向け、新たな構想を提供できることを望む」と語った。

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