2011年11月14日-11月18日
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神舟8号が明日帰還

2011年11月16日

 内蒙古自治区気象局によると、中国の無人宇宙船「神舟8号」は宇宙ステーション実験機「天宮1号」と2回のドッキング実験に成功し、17日に内蒙古中部の阿木古郎草原に帰還する。着地予定地の気象条件は良好で、順調な着地が期待される。人民日報海外版が伝えた。

 有人宇宙飛行の着地部門を統括する呉斌氏は今回の着地について、ドッキングを行ったためにチャレンジに富むものになったとして、次の4点を挙げた。

 (1)帰還時の着地エリアが拡大。ランデブー・ドッキングの過程で軌道の微調整が行われたため、着地する可能性のある範囲が拡大。緊急捜索エリアを含めると従来の3倍以上になった。

 (2)捜索のタイムリミットが短縮。従来は6時間以内に宇宙船を発見し、処理することが求められていたが、2時間半に短縮された。宇宙飛行士を迅速に救援するためだ。今回は無人だが、有人と完全に同じ想定で行われる。

 (3)危険地点が増加。捜索エリアが拡大したため、以前のように平坦な地形ばかりではなくなった。測風塔、風力発電設備、通信基地局、深い溝などもある。こうした地点に落下する確率は小さいが、ゼロではない。

 (4)安全確保のため、着地前に宇宙船の落下位置、姿勢、帰還カプセル落下物の状況などをヘリコプターで確認しなければならない。落下地の地形が着地に適しているかどうかの確認も必要だ。寒冷な天候も、乗組員の捜索と帰還カプセルの迅速な処理にとって厳しい試練だ。

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