2011年11月14日-11月18日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年11月14日-11月18日 >  中国の第3世代原発技術、2年後に完成

中国の第3世代原発技術、2年後に完成

2011年11月17日

 第13回中国国際ハイテク成果交易会が16日、深センで開幕した。会場では中国広東核電集団(以下、中広核集団)が開発中の100万キロワット級加圧水型原子炉「ACPR1000」の模型が発表された。中国が知的財産権を持つ同技術は2013年に完成する予定で、福島原発事故の教訓を汲み、多くの故障が重なるなど極端な状況にも耐えられるように設計されており、各指標はいずれも第3世代原発のレベルに達している。中国新聞社が伝えた。

 中広核集団は1980年代より、世界から導入した先進技術を基礎に改良・イノベーションを重ね、自主ブランドである100万キロワット級加圧水型原子炉「CPR1000」を開発した。同技術はすでに遼寧省紅沿河、福建省寧徳、広西チワン族自治区防城港などの核原発プロジェクト建設で応用されている。中広核集団はその後、2009年よりACPR1000の開発をスタートした。

 ACPR1000技術は安全性・信頼性がより高く、先進的・経済的だ。同技術は福島原発事故の教訓を汲み、安全性と成熟性の面で多くの重大な技術革新を行っている。これらの技術革新には、14インチの燃料集合体、単一原子炉、デジタル化計装システム、物理的分離の要求を満たす3つの安全システム、自由体積が大きい二重格納容器と格納容器内燃料取替用水タンク、様々な駆動を採用したシャットダウンシステムなどが含まれる。これにより安全なシャットダウンができる地震のレベルが上がり、設計基準を上回る事故が発生した場合の電力供給、水供給システムが増加した。各設計指標は中国最新の原子力安全法規および、米国、欧州の要求を満たしている。

 ACPR1000の開発により、中国の原発開発が世界トップクラスの仲間入りを果たし、中国第3世代原発の自主化建設が推進されると見られる。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます