2011年11月14日-11月18日
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中国、心臓死後の臓器提供を推進へ

2011年11月18日

 衛生部の黄潔夫副部長が17日に明らかにしたところによると、中国移植学界の長期にわたる準備と討論を経て、このほど中国臓器提供試行業務がスタートした。これは中国紅十字会が衛生部からの委託を受けて実施するもので、2012年より中国全土で心臓死後の臓器提供(DCD)を全面的に推進し、2年以内にDCDの実績がない病院は臓器移植資格が取り消される。

 無錫市は今年7月、全国臓器提供・摘出・移植試行都市に選ばれ、心臓死後の臓器提供・移植業務を実施することが認可された。その後9月と11月にそれぞれ神経膠腫、脳幹出血、重度の外傷性脳損傷で亡くなった19歳(2人)と17歳(1人)の男性の家族が臓器を無償提供することを決定。臓器を必要としている重傷者に対し移植を行った。中国ではこれまでに心臓死後の臓器移植が133件行われ、計343の臓器が提供された。

 黄副部長は、「中国は国家級の臓器提供体系が打ち立てられておらず、『提供したくてもできない』状態だ。中国では脳死が立法化されていないため、心臓死を統一基準とすべき、というのが公式の見解だ。このため、DCDの普及、中国の国情に合ったDCD基準を打ち立てていく」と語る。

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