2011年12月01日-12月02日
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学士・修士・博士の8年一貫教育 四川大学が中国初の実施

2011年12月02日

 学士・修士・博士課程を最短8年で修了する「8年一貫教育」プロジェクトの開幕式が1日、四川大学で行われ、各学部の関係者や同プロジェクトの対象に今年選ばれた学生100人が出席した。8年一貫教育の実施は中国では初めて。「国家中長期教育改革および発展計画綱要(2010-2020年)」を具体化し、すば抜けた革新型人材を選抜するのが狙い。中国紙、華西都市報が伝えた。
 
 ▽学士から博士までを最短8年で修了 2年間の節約に
 
 四川大学大学院は今年上半期から、修業年限の短縮を柱とした人材育成改革に着手。同大の華西臨床医学専攻では早くから8年一貫教育を導入し、学生が大学院試験や論文準備などから逃れ、学術研究に打ち込める環境づくりに取り組んでいる。効果が挙がれば、全専攻での導入も検討するという。
 
 8年一貫教育プロジェクトとは、学士課程を3年間、修士課程を2年間、博士課程を3年間で修了するプロジェクトをいい、通常の学士4年間、修士3年間、博士3年間よりも修業年限を2年間短縮することが可能。この2年間は、通常の大学4年生と修士1年生を1年間にまとめ、修士3年生で論文執筆に取り組む1年間を省いたもの。
 
 「年限を短縮できるのは、もちろん各学部で特に優秀な学生に限る。指導教官とのコミュニケーションを通して2年間分の課程をこなし、時間を圧縮することができる」と同大大学院の許唯臨院長。こうした学生は優秀者の1%程度で、モラルや専門科目の成績、潜在的な研究能力、革新に対する意識、学習意欲などが審査基準という。
 
 「大学4年生と修士3年生の授業はもともと少ない。それを1年間にまとめることができるのは助かる」とある学生は話す。

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