2011年12月12日-12月16日
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衛星追跡船「遠望4号」が引退

2011年12月15日

 中国の衛星追跡船 「遠望4号」は12月14日、その歴史的使命を果たし、海上の衛星追跡・制御の任務を終了した。衛星追跡・制御の役目を終えた衛星追跡船は、昨年引退した遠望1号、衛星追跡・制御の任務を終えた遠望2号に次いで3隻目となる。現在、中国の海上の衛星追跡・制御の任務を担当する船舶は遠望3号、5号、6号となっている。人民日報が伝えた。

 遠望4号は中国の独自設計により建造された衛星追跡船だ。その前身はかつて中国初の南極調査に参加した遠洋調査船「向陽紅10号」で、1998年8月に改造が加えられ、衛星追跡船となった。1999年2月に遠望4号と改名されてからは、キャリアロケット、宇宙船「神舟」シリーズなどの打上げに伴う衛星追跡・制御の任務を担当してきた。1999年10月、遠望4号は初めてインド洋に遠征し、神舟1号の打上げに向けた海上からの衛星追跡と通信任務に成功。訓練型から実践型への転換を実現した。同船はその後も、通信衛星「亜太6号」、通信放送衛星「キン諾2号」、気象衛星「風雲」、神舟シリーズなどの打上げに伴う任務を担当した。

 遠望4号は10年あまりの間に、太平洋(6回)やインド洋(6回)で任務を実施、海上での作業日数は1千日あまりにのぼり、総航程は18万海里以上に達した。オーストラリア、マレーシア、シンガポールなど国外の港に10回停泊したほか、重大な科学研究実験における海上追跡制御通信任務を14回実施、中国の海上の衛星追跡・制御事業に向け重要な貢献を果たした。

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