2011年12月19日-12月23日
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車の排気ガス、大気汚染の重要な原因に

2011年12月20日

 環境保護部はこのほど、「2011年中国機動車汚染防止年次報告書」を発表し、第11次五カ年計画(2006-2010)期間中の車による汚染排出状況を発表した。それによると、中国は2年連続で世界最大の自動車生産・販売大国となり、排気ガスは大気汚染の重要な原因となっていることが明らかとなった。人民日報が20日に伝えた。

 同部の陶徳田報道官によると、第11次五カ年計画期間、中国の車両保有台数は1億1800万台から1億9千万台へと急速に増加し、年平均10%増加を遂げた。うち、自動車の保有台数は3088万台から7721万7千台に増え、150%増となった。

 排ガス基準別に見ると、「国3」以上の排ガス基準適合車は全体の41.1%、「国2」基準適合車は25.5%、「国1」基準適合車は20.6%を占めた。残る12.8%の自動車はまだ「国1」基準に達していない。

 環境保護マーク別に見ると、「緑色マーク」の車は79.8%で、残る20.2%は「黄色マーク」となった。

 車両保有台数の急速な増加により、車両による汚染防止の重要性と緊急性はますます高まっている。モニタリングによると、中国都市部の大気は現在、煤煙と排気ガスによる複合汚染という特徴を呈している。一部の地域では煙霧、酸性雨、光化学スモッグなどの地域性大気汚染が頻繁に発生しており、これらの問題はいずれも排気ガスと密接に関係するものだ。また、車両のほとんどは人口密集地区を走行するため、排気ガスは人々の健康に直接影響を及ぼす。

 2010年、全国の車両から排出された汚染物質は5226万8千トンにのぼり、NOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、PM(粒子状物質)などが含まれる。うち、自動車が排出したNOxとPMは全体の85%以上、HCとCOは70%以上を占めた。

 燃料別に見ると、ディーゼル車が排出したNOxは自動車による排出量全体の60%、PMは90%以上を占めた。一方ガソリン車はCOとHCの排出量が高く、70%以上を占めた。

 排ガス基準別に見ると、自動車保有台数の12.8%を占める「国1」基準適合車が排出した汚染物質は自動車による排出量全体の40%以上を占めた。一方で、保有台数の41.1%を占める「国3」以上の基準適合車が排出した汚染物質は15%未満となっている。

 環境保護マーク別に見ると、自動車保有台数の20.2%を占める「黄色マーク」車が排出したNOxは全体の70.4%、HCは64.2%、COは59.3%、PMは91.1%を占めた。

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