中国の衛星測位システム「北斗」は27日、中国および周辺地域に向け、持続的な受動測位、ナビゲーション、時刻配信などの試験サービスを提供し始めた。これまでに衛星10基を打ち上げ、基本的システムが完成している。国際金融報が28日に伝えた。
北斗システムの冉承其報道官(中国衛星測位システム管理弁公室主任)は国務院新聞弁公室がこのほど行った記者会見において、同システムが全世界に無料でサービスを提供していくことを明らかにした。また、北斗システムは米国GPSを含む3つの衛星測位システムとは異なり、ユーザー数に制限を設けないという。
北斗衛星測位システムは中国が自主開発・独自運行し、かつ世界の他の衛星測位システムとも互換性を持つ衛星測位システム。将来的には全世界を対象に高精度で信頼性の高い測位・ナビゲーション・時刻配信サービスを提供するほか、ショートメッセージによる通信サービス能力も備えている。
北斗システムは現在のところ、25メートル前後の測位精度を備えている。来年末までにシステムが基本的に完成し、正式なサービスがスタートすれば、精度は10メートル前後に達するという。