2012年01月16日-01月20日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年01月16日-01月20日 >  第3世代原子炉は福島相当の衝撃にも耐えられる

第3世代原子炉は福島相当の衝撃にも耐えられる

2012年01月20日

 中国で建設中の第3世代原子炉AP1000は「世界初」で運用経験を欠くため、その技術的成熟度への疑念が市民だけでなく業界内部でも払拭されずにいる。また、世界の原発発展史に痛ましい刻印を残した日本の福島第1原発事故によって、世界の人々は原発の安全性への懸念をさらに深めている。18日付「科技日報」が伝えた。

 第3世代原発で提携する国家原発技術公司の王炳華会長と米ウェスティングハウス・エレクトリック社アジア太平洋部門のジャック・アレン副社長はこのほど、AP1000について、重大な事故を防止・緩和する能力を備え、福島第1原発事故のような地震、津波、洪水による設計基準を超えた巨大な衝撃にも耐えられると説明した。

 福島第1原発事故を自ら経験したアレン氏によると、福島第1原発事故後、ウェスティングハウスは直ちに国家原発技術公司と連絡を取り、事故の教訓を十分に汲み取り、AP1000の安全設計をさらに改善した。双方はAP1000の設計について福島第1原発事故の条件に対応したストレステストをそれぞれ実施したうえで、互いの結果をつき合わせた。

 評価の結果、AP1000は福島に類似した設計基準を超える衝撃にも耐えられることが明らかになった。AP1000は事故後72時間以内に、非能動システムを通じて原発を徐々に安定状態へ導き、操作員の関与と外部動力源への依存を減らす。炉心または燃料プールの燃料破損も起こり得ない。原子炉格納容器も完全な状態を保つことができる。許容値を超える放射能漏れもない。72時間は外部の支援も必要としない。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます