2012年02月20日-02月24日
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約3億年前の古代森林の様子を再現

2012年02月24日

 中国科学院・南京地質古生物研究所の王軍研究員はこのほど、古代植物化石群の研究を通じ、約3億年前の古代森林の様子をコンピュータで再現することに成功した。これは、地質時代の陸地の再現としては、過去最大の面積を誇る。この研究成果はPNAS(米国アカデミー紀要)に掲載される予定。新華網が24日報じた。

 このたび発見された古代植物の化石群は今から2億9800万年前のもので、賀蘭山の北西、内蒙古烏達炭田の泥炭湿地林に位置し、面積は約20平方キロメートルに達する。この森林は火山の噴火により埋没し、その保存状態が同じく火山灰に埋没したイタリアのポンペイと良く似ているため、「植物ポンペイ」とも呼ばれる。火山灰の中から20種類以上の植物の化石が発見され、木の幹の様子まではっきりと残る化石も多い。これにより、1000平方メートルにおよぶ古代森林の様子を蘇らせることができた。

 王軍研究員は「これほどの面積の植被が再現できたのは世界でも初となる」と語る。化石群の保存状態などが原因で、現段階では古代森林の再現には限りがあり、教科書や博物館で見られる再現図の多くは実際の様子と大きく違うという。

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