2012年03月01日-03月02日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年03月01日-03月02日 >  河南省青天河の「天然大仏」、日本の学者らが視察

河南省青天河の「天然大仏」、日本の学者らが視察

2012年03月02日

 立正大学仏教学部の手島一真准教授ら5人はこのほど、河南省焦作市の青天河を訪れ、最近発見された北魏の摩崖石刻(岸壁に刻まれた彫刻)と「天然大仏(山の自然景観がまるで大仏のように見える)」を視察した。中国新聞網が2日報じた。

 「天然大仏」は高さ180メートル、幅100メートルに達し、本物さながらだ。北魏時代の摩崖石刻は天然大仏の腰のあたりに位置し、男性の姿をした観世音菩薩、「妙法蓮華経普門品第二十四」、古道の修復の過程等が刻まれている。彫刻の面積は約2平方メートルに達し、書体は魏碑体で、文字数の多さ、面積の広さ、保存状態の良さは中国でも髄一だ。河南博物院、河南省考古地質所、河南省仏教協会の専門家や学者の調査により、この大仏が7000万年前に形成されたことが明らかになった。摩崖石刻は約1500年前の、北魏永平二年二月に刻まれた。

 中国国家文物局古建築専門家チームの羅哲文チーム長は、青天河で実地調査を行った経験を持ち、「仏教が中国に伝わった当初、観世音菩薩は男性として現れた。仏に跪く人の多くは、願い事を持つ女性である場合が多かったため、唐の時代から観世音菩薩が女性に変わった」と説明した。ゆえに青天河の観世音菩薩の制作年代は正確に特定できる。線が明瞭で、文字が美しく、トルファンの石窟でも見つからないほどだ。それゆえ非常に貴重であり、国宝と称することができる。彫刻の内容は古道の修復と関連している。同大仏と北魏の摩崖石刻は、古代の歴史・文化・宗教・交通を研究する上で、重要な意義を備えている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます