2012年03月12日-03月16日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年03月12日-03月16日 >  中国 キャリアロケットの再利用を計画

中国 キャリアロケットの再利用を計画

2012年03月15日

 中国航天科技集団キャリアロケット技術研究院の梁小虹党委員会書記(全国政協委員)はこのほど、ロケットの再利用計画について、「我が国のキャリアロケットは『使い捨て』であり、1度打上げれば終わりだ。一方、米国のスペースシャトルは宇宙と地球を往復し、繰り返し使える。我々も現在、ロケットの再利用に関する論証と計画を進めており、今後方案が打ち出される見通しだ。まずロケットブースター、第1段、第2段の再利用を実現し、その後ロケット全体の再利用と往復性能を実現する。ただし、スペースシャトルとは異なるものとなる」と述べた。

 中国航天科技集団公司科学技術委員会顧問であり、宇宙船「神舟」初代総設計師の戚発ジン氏は「スペースシャトルは先進的だが、あまりに複雑で投資効率が悪い。本来ならばスペースシャトルのような宇宙船で、有人飛行と衛星打上げを同時に実現したいだが、現在はそれはできない。構想としては全て再利用できるものを考えていたが、現在は一部分の再利用に留まり、残りの部分は使い捨てとなる。もし帰還後に修理して再利用しようとすれば、それにかかる費用は新しくロケットを作るより高くなってしまう」と語る。

 次世代大型ロケット「長征5号」が今、天津で生産されている。梁党委員会書記は「『神舟9号』の打上げに使われるロケットは離陸推力が600トンだが、長征5号は約2倍の1000トンだ。また無毒・汚染ゼロの推進剤が初めて採用される」と述べる。京華時報が15日付で報じた。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます