2012年03月26日-03月30日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年03月26日-03月30日 >  上海交通大学 革新的な人工薄膜の作成に成功

上海交通大学 革新的な人工薄膜の作成に成功

2012年03月29日

 上海交通大学の研究チームはこのほど、厚さが髪の毛の1万分の1という特殊な人工薄膜の作成に成功した。これにより、世界の物理学者が70年あまりにわたって続けてきた「マヨラナ粒子」の探求がついに終わりを迎えるかもしれない。中国新聞社が28日に報じた。

 上海交通大学物理学科の賈金鋒氏・銭冬氏の研究チームは28日、トポロジカル絶縁体と超伝導材料を複合した特殊な人工薄膜の作成に成功したことを発表した。科学雑誌「Science」の担当者に「材料科学のブレークスルー」と言わしめた同研究成果は、学界内で大きな注目を集めている。

 同薄膜により、これまで神秘のベールに包まれていた「マヨラナ粒子」の観測が今年中にも実現する見通しだ。

 この粒子が一旦発見されれば、固体中におけるトポロジカル量子計算が可能となり、科学者たちはトポロジカル量子計算時代への「鍵」を手に入れることとなる。これにより、量子計算の耐障害性の問題が解決されるだけでなく、大きな計算の余地がもたらされ、将来的には電子技術の新たな革命がもたらされる可能性がある。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます