2012年05月07日-05月11日
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中米協力 脳神経回路形成の研究で重大な進展

2012年05月07日

 復旦大学神経生物学研究所と米ニューヨークのメモリアル・スローンケタリング癌センターの共同研究チームはこのほど、脳神経回路形成の研究において、電気シナプスを介したニューロン間の信号伝達が大脳皮質の神経回路形成において重要な役割を持つことを発見した。この研究成果は4日、ネイチャー誌のオンライン版に掲載された。中国科学報が4日に報じた。

 同研究によると、大脳皮質の神経回路形成には一定の法則があり、すなわちニューロン親和性が高ければ高いほど、シナプスとの結合が形成されやすい。さらに重要なのは、ニューロン親和性は、電気シナプスと深いかかわりがあるということだ。この発見により、化学シナプスと電気シナプス間の因果関係が初めて明らかになった。つまり、大脳皮質の形成プロセスにおいて、もし電気シナプスがなければ化学シナプスも形成されないということになる。

 専門家は「同研究は科学者の大脳皮質神経ネットワーク形成の研究に向け、重要な示唆を与えただけでなく、脳神経回路の形成異常に伴う疾患、小児てんかん、自閉症などの診断と治療に向け、新たな視点と方向性を与えた」との見方を示す。

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