江蘇省南京市のある道路で2年前、中国製のLED街路灯が試験的に導入されたが、使用寿命に達する前に全て壊れてしまい、しかも省エネ効果も顕著ではなかったとする報道があった。人民日報が23日に報じた。
ある業界関係者によると、これは中国のLEDハイパワー集積技術がまだ未熟なためだ。LEDは他の照明と違い、暑さに弱いため、放熱システムに不備があると光が弱くなり、照明効果が下がり、寿命も短くなる。このほか、ルーメン数が高いLEDチップは明るさの重要な要素だが、LED街路灯用のチップの技術は国外にあり、使用コストが高い。現在、室内用のLED照明のチップは国産化率がわずかに上がっているものの、国内のLEDチップの約8割は輸入品だ。
中国計量科学研究院光学・レーザー計測科学研究所の趙偉強博士によると、中国のLEDチップ生産技術は向上しつつあり、ハイパワー照明にも対応できるようになったが、ハイエンドな街灯用LEDチップは依然として輸入に依存している。ハイパワー照明向けの国外チップの価格は国内の2-3倍で、しかも国外メーカーは主にLEDデバイスを販売し、チップを単独で売ることはないという。
調査によると、国内外では一般的に高圧ナトリウムランプが街灯に使用されており、1台あたり500-1000元(約6000円?1万2000円)だ。一方、LED街路灯の価格は1ワットあたり15元?25元で、150ワットのLED街灯だと、15元として換算しても約2250元(約2万8千円)となり、やはり一般の街灯よりも高額だ。さらに、LED街灯は規格が統一されていないため互換性が低く、部品が1つ壊れただけで全体を取り替えなければならないなど、使用コストがかさむ。
ある業界関係者は、「中国にはLEDライトのメーカーが無数に存在するが、大規模な企業は少ない。高級LEDチップの技術とLEDドライブはほとんど国外の大手企業が把握しており、国内の組立企業はコストを下げるために質の悪い部品を使用している。また、国家基準もまだないため、製品の質がまちまちだ」と、問題点を指摘する。
広東省品質技術監督局が今年1月、企業41社の生産したLED街路灯などのサンプル検査を行ったところ、合格率は73.2%だった。