2012年06月01日-06月01日
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中国の漁船、衝突防止や通信に役立つAIS端末搭載

2012年06月08日

 広い海の上で、もし船が危険にさらされた場合、どのように回避すればよいだろうか?漁船にAIS(船舶自動識別装置)端末を設置すれば、船同士、もしくは船と陸上局間の情報交換を実現し、船舶の衝突リスクを下げ、効果的に事故を回避し、水上交通の安全を保障することができる。中国はすでに、世界最大規模のAIS陸上局ネットワークを構築した。科技日報が報じた。

 福建省・平海辺境防衛派出所の李建勇所長によると、AISはハイテク航海設備であり、船舶衝突早期警報機能のほか、船舶識別、目標追跡などの機能を備えている。最大の特徴は、漁船の周囲に警戒エリアを設定できる点だ。他の船舶がこのエリアに入った場合、システムが自動的に警報を発し、目標船の針路・航速を表示、衝突事故の発生を未然に防ぐことができる。このほか、カーソルを端末画面の船舶に合わせるだけで、通信ルートを確立できる。

 中国の国際貨物輸送の95%は海運によるものであり、航行の安全保障は極めて重要だ。従来型のレーダーではサーチ機能しかなかったが、AISにはナビゲーション、自動識別、記録機能などが備わっており、船舶の位置、船速、針路などの動的情報を他の船舶や陸上局に向けて送信でき、事故船舶の救助や船舶の追跡に役立つ。中国交通運輸部が建設した中国AISシステムは10年間にわたる建設と発展を経て、すでに中国の全沿岸水域と内陸河川のハイレベル航路をカバーした。AIS端末は2012年7月1日までに全国13万4千隻の船舶に設置される予定。

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