2012年06月04日-06月08日
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中国、次世代キャリアロケットのエンジン開発に成功

2012年06月14日

 国防科学技術工業局が明らかにしたところによると、中国最大の推力を誇る次世代キャリアロケットのエンジン--120トン級のLOX/ケロシン高圧二段燃焼サイクルエンジンがこのほど完成した。中国はロシアに続き、同エンジンのコア技術を掌握した2番目の国となった。同エンジンは中国の次世代キャリアロケットの動力システムに使われ、有人宇宙飛行・月面探査などの国家重大プロジェクトを支えることとなる。人民日報が報じた。
 
 同エンジンの開発プロジェクトは2000年9月に国務院の認可を受けて立案され、次世代キャリアロケットシリーズ発展の需要を満たす120トン級のLOX/ケロシンエンジンの開発が目標とされた。プロジェクトは国防科学技術工業局が筆頭となって組織し、航天科技集団公司傘下の航天推進技術研究院が開発を担当した。

 同エンジンは中国が知的財産権を持つ初の高圧二段燃焼サイクルエンジンであり、高性能・高信頼性・無毒・無汚染などの特徴を持つ。

 同エンジンの開発成功によって、中国の高圧二段燃焼サイクルエンジン分野における技術的空白が埋まり、中国の液体ロケットエンジン技術の国外との差が縮小され、今後の宇宙飛行における動力システム発展に向けた技術的基盤が固まった。
 
 同エンジンの開発においては、設計、製造、試験などのキーテクノロジー70項目あまりでブレークスルーを果たし、国防科学技術成果および関連の特許約20件を取得している。また、同エンジンの開発に必要な新材料約50種類で難関突破を果たし、関連分野の基礎技術の発展を後押ししたほか、国内の関連工業水準の向上を牽引した。

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