2012年06月04日-06月08日
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中国のインターネットは「第6世代」へ 15年

2012年06月14日

 世界は今月6日、次世代インターネットプロトコル(IP)である「IPv6」の始動日を迎えた。この日には北京で、次世代インターネット発展建設サミットが開催された。サミットでは政府関連部門、プロバイダー、インターネットサービス企業の責任者がそれぞれ、第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)期間にはIPv6ネットワークの建設推進に力を入れ、2013年をめどにIPv6ブロードバンド利用世帯を300万に増やす方針であると述べた。「中国青年報」が伝えた。

 15年になると、中国のインターネットは全面的に「第6世代」に突入するとみられる。

 国家発展改革委員会の張暁強副主任は、「中国のIPv4アドレスは基本的に枯渇した。これと同時に、モノのインターネット、クラウドコンピューティング、モバイルインターネット、、電気通信、ラジオ・テレビ放送、インターネットの3つのネットワークを統合する『三網融合』といった新たな応用の発展に向けて、より大量のネットワークアドレスやより進んだネットワークインフラ設備が必要になり、次世代インターネットの発展の加速が急務となっている」と話す。

 ある資料によると、11年末現在、中国のインターネット普及率は38.3%、インターネット利用者は5億1300万人で世界の約4分の1を占める。だがこうした数字と不釣り合いなことに、中国のIPv4アドレスは世界全体の7.72%にとどまり、一人当たり平均はわずか0.24件だ。工業情報化部電信研究院がまとめた報告によると、今後5年間に中国では345億件のIPアドレスが必要になるという。

 「中国次世代インターネットモデルプロジェクト」専門家委員会の主任を務める、中国工程院(工学アカデミー)のウ賀銓院士は、「インターネットの発展はブロードバンド化、モバイル化、ユビキタス化にみられるような次世代インターネットの時代へと突入した。IPv6は次世代インターネットのスタート地点だ。次世代インターネットへの進化がインターネット産業の新たな革命を引き起こす」と話す。

 IPv6を土台とする次世代インターネットは、アドレスの数が現在のインターネットの10の29乗に達する。IPv4からIPv6へという進化の過程を推進するとともに、これを土台として次世代インターネットを発展させることが、世界の共通認識となっている。各国ではIPv6の一定規模の商用化は12年か、12年以降に始まるとしている。最近では日本のIPv6への移行ペースが最も速い。

 時間はわれわれに立ち止まることを許さない。中国では03年に次世代インターネットモデルプロジェクトが国務院の承認を受けてスタートした。昨年12月と今年5月には、国務院の温家宝総理が国務院常務会議をそれぞれ開催し、中国の次世代インターネット産業の発展加速を検討し、計画を立案。今年3月には発展改革委をはじめとする7部門・委員会が、「次世代インターネットの『十二五』期間における発展建設への意見に関する通知」を共同で発表し、中国は14-15年にIPv6の全面的商用化の実施段階に入ると指摘した。

 教育部の杜占元副部長がサミットで述べたところによると、中国の大学100校の学内ネットワークのインフラ、ポータルサイト、主要情報システムは全面的にIPv6対応となった。東部地域の政府機関や上位100位入りするビジネスサイトは13年末までに、中部・西部地区も15年をめどにIPv6対応となる見込みだ。

 *ウ:「おおざと」に「烏」

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